発案から現在まで
二日市荒川神社の御造営事業が話題に上がったのは、北陸新幹線とどちらが早かったのか。
前宮司が氏子衆から受けた話を、現宮司は遠く又聞きで知る程度となっておりました。
しかし、積年の信念がここ数年で実を結び、丹念に慎重に神社関係者一同で事を推し進めてきた結果、今回の御造営事業開始へと歩を進めることに至ったようです。
基本的に、神社で行われる庶務一般は全て氏子衆にお任せです。宮司は、はんこを押すだけといった場合が多く、宮司の仕事は氏子衆の執り行う神社関連の庶務全てに責任を持つのみとなっております。
お祭り然り、境内整備然り。
神事を司る宮司足る立場では、祭典日時の進言や祭典内容の進言決定、またこれに係わる細事への指示他となっております。
よって、今事業は、それこそ地域住民にとって世紀の一大事業となり、氏子崇敬者をはじめとする関連諸氏には、先祖代々受け継ぐ神社と地域社会を大切に思う精神を守る事業になり得たのです。
氏子総代並びに宮司の決定を以て、御造営委員会先導の平成の大御造営事業は、社会情勢は多少荒れているとしても重い重い錨を引き上げることに成功し、荒川神社氏子崇敬者集は今日まで荒波にもまれつつもみな足並みそろえて前進しているのでしょう。
そして、今年初頭、春の芽が息吹を始める頃に、仮遷座祭を無事執り行うことができました。
「一生懸命」
今回の御造営事業も、宮司は陣頭に立ってはおらず、相談役として籍を置くのみとし、しかしながら氏子総代役員代表として氏子総代の意見具申をして参りました。
その中で、この四文字の表すとおり、正に人生を全て賭して挑む方が多くいらっしゃいます。
ここで、神社神道を表す「敬神生活の綱領」をご紹介いたします。
一、神の恵みと祖先の恩とに感謝し、 あかき清きまことを以て祭祀にいそしむこと。 一、世の為人の為に奉仕し、 神のみこともちとして世をつくり固め成すこと。 一、大御心をいただきて、むつび和らぎ、 国の隆昌と世界の共存共栄とを祈ること。 |
ご本人様方はこの言葉をご存じではないかも知れませんが、これを行動で直に示していらっしゃるのです。
神職になるべき者は、この綱領に向かい一生をかけて考え、悩み、その中で神事を行うのですが、氏子の皆様は過去から紡ぐ祖先への感謝を心に受けて、私の様な若い神主に歩むべき道を示して下さります。
今回の御造営事業においても、深く敬意を持って共に歩んできている次第です。
その中の、「一生懸命」。
推して知るべし、です。
御造営事業の移り変わりを、写真に収める。
今御造営事業の移り変わりを、宮司自慢の簡単カメラで記録しておりますので、現在までの移り変わりをここに示しておきます。
二日市 荒川神社 御造営事業フォトグラフ