平成27年菅原神社秋祭り1

平成二十七年 国造神社摂社 菅原神社 秋期祭無事斎行

季節の移り変わりは早いもので。

先月は泉の氏神様である国造神社の秋祭りを終えましたが、今10月25日・26日には国造神社摂社である菅原神社の秋祭りが斎行されました。

たったひと月のことではありますが、国造神社のお祭りの空気と比べると肌に感じる風はかなり冷たく変わっており、秋の訪れ、冬の足音が少しずつ感じられるお祭りとなりました。

菅原神社の歴史的・文化的価値

藩政時代の国造神社は、大聖寺藩主の信仰極めて篤く、同藩主二代目の前田利明公、五代目前田利直公、八代目前田利考(としやす)公はこの国造神社へ家臣を代参せしめています。

ここまで、前田家より手厚い崇敬を受けるには理由があり、史実では、加賀藩初代藩主前田利家公が京都の嵯峨野法輪寺より寄贈されていた一体の虚空蔵仏を当神社に奉納されたことが明らかになっており、金沢城との立地的な由縁が深いとされているのです。

そして、この歴史的事実を裏付けるに足るもう一つの理由として、この国造神社境内に建立されている菅原神社が挙げられると、考えております。

菅原神社は、天神様とも呼ばれる菅原道真公がご祭神として祀られていることは周知の事実ですが、この菅原道真公は加賀藩主前田家の祖先だと伝えられていることは、皆さんご存じでしょうか。

金沢の風習の中に、年末12月25日から年始1月15日までの間床の間に天神堂を飾る、昔ながらのしきたりが未だに残っております。

この天神堂は、お嫁さんの実家から嫁ぎ先の初孫男児へ贈るものとされ、新調されることもあった様ですが基本的には代々受け継がれていくものであったようです。

ちなみに、この天神様は増泉春日神社宮司家にも数年前まであった様ですが、今は境内内には無いようです。(春日神社禰宜が幼少の頃には、母親が必ず手入れしているところを見ていた記憶があります。)

言わずもがな、この天神様をお正月にお飾りすることは菅原道真公と共に新しい年神様を迎えることに他ならず、祖先を大切にする日本人の心の深淵として、藩主前田家と共に加賀藩の隆盛を願ったと考えても何ら不思議ではございません。

この正しい歴史継体の表れが、国造神社摂社「菅原神社」という歴史遺産なのです。

そして、泉という町は、先祖代々受け継がれている美しく荘厳な歴史を、しっかりと守っていると言えるのです。

菅原神社の秋祭りの様子

平成27年菅原神社秋祭り1
平成27年菅原神社秋祭り1
平成27年菅原神社秋祭り2
平成27年菅原神社秋祭り2
平成27年菅原神社秋祭り3
平成27年菅原神社秋祭り3
先日新調された街頭(中央電柱に設置)
先日新調された街頭(中央電柱に設置)
菅原神社の鳥居から望む社殿
菅原神社の鳥居から望む社殿
肌寒いながらも日の光は溢れ暖を注いでくれておりました。
肌寒いながらも日の光は溢れ暖を注いでくれておりました。
雅やかに飾られている拝殿とご本殿
雅やかに飾られている拝殿とご本殿
気持ちの良い二日間でした。
気持ちの良い二日間でした。

地元衆には極当然のお参りではありましょうが、ひとりひとりがご参拝されるそのお姿こそ過去と未来を安らぎで繋ぐ一助となっておりますので、今後とも変わらぬご奉賛をいただけます様お願い申し上げます。