毎月の月次祭
春日神社神職が兼務しご奉仕申し上げている九つの神社では、毎月必ず神職が出向きたとえ神職一人であったとしても祭典を行い祝詞を奏上してきております。
これら兼務神社の宮司が現職に代わって以降は、そのひと月の大事から小事まで、時には氏子総代さんがちょっと入院しているなんてことも祝詞の中に織り込み祭典のご奉仕を申し上げてきております。
長野の地震の際には、災害派遣に必ず出向かれている氏子さんを慮ってその安全を祈願いたしましたし、東日本大震災の年は刻々と移り変わる国内事情を全ての神社でご報告し一時でも速やかに元の生活へ、新しい未来に向けて人々が歩みを向けられるよう強くご祈念申し上げてきました。
今回のCOVID-19新型コロナウイルス感染症の爆発的増加においても、報道があって直ぐ世情の移り変わりを奏上し、病に苦しむ方々の回復を祈願し、医療現場で働く方々の苦労を労い、この非常事態でも自らの職務を全うされるすべての人々に怪我の無い様ご祈念いたしてきました。
今月も、13日・15日に7社で、それぞれ同様の内容で祝詞が挙げられました。
明日以降に祭典の行われる神社は、18日に1社、21日に1社、とありますが、これらのお社でも同様の祝詞が奏上されます。
毎回あげられる祝詞は、当日総代さん方と世間話を交えたうえで宮司の思いや願いと織り交ぜられ奏上されることから、それぞれの神社で若干の差異はあります。
ありますが、根本は全く同じ。
氏子区域に住まうすべての方の平和と繁栄、そしてそのご家族御親族様から友人知人取引先の業者さんや配送などで地域を行き交う車に至るまで、かかわるすべての皆様に氏神様の恩恵を温かく感じていただけるよう願う内容となります。
世界を揺るがす一大事となり、中にはお祭りに人が集まることはいかがなものかという声ももちろんあります。
神社では、できるだけ換気を良くし、大人数が集まってはいけないのであればそれぞれ時間をずらしてお参りいただくことで対応したりと万策を尽くしております。
その上で、病魔に負けてはならぬと、日常という平和を守る一つの成果として、お祭りが行われてゆきます。
心の柱となる祭り
何か大きなものに潰される時は、柱となる心の支えが揺らいだ時でしょう。
しかし、潰されてもなお立ち上がれることは、その柱がたとえ折られたとしてもたくさんの人々でまた精神の柱が取り戻されたからなのではないでしょうか。
大災害後に復興の明かりとなった行事が、地域の神社の祭りであった所があると伝え聞きました。
神社の祭りとは、かくあるべき。と。
平和を守る印として、これからもお祭りは連綿と続いて行くことになります。
そして、その祭りを守るのは、神社の神主ではありません。
神職は、何もできません。
神社を、祭りを、地域の平和を象徴する明かりを守るのが、氏子の皆様であることに間違いはありません。
来月も、変わらずお祭りのご奉仕を申し上げます。
氏神様をご存じの方はぜひこの機会に一度足をお運びください。
氏神様が分からない方は、春日神社にお参りください。
平和を願う心が、これからを形作ってくれます。
きっと。