常若を常に気も心も若返る
大自然を脅威と捉え、人類が万能であるはずは無いと律し、傲り高ぶる事無く人の世を生きよ、と。
自然と共に生きる先人が見い出した畏敬の念に繋がる神髄の一つです。
今から1300年も昔には、天災等人の力では如何とも回避できない災害に向けて人々の気力が損なわれないように土着信仰であった神道等を手厚く保護する策が取られたとされています。
半年に一度、農耕作業の落ち着く頃に自らを振り返り先の驕りを振り払い心を新しくしてまた良い日々を送るようにと願い、天武天皇が臨時行事として摂り行われてきたとされ、701年の大宝律令で正式な宮中祭祀として記されたのが、この正月と夏の大祓式といわれています。
人々が生きているだけで巳に振りかぶる罪や、心の荒びとされる穢れを打ち祓う大祓式。
その実は個人だけで無く、家族や親族までを慮る事で社会を平和にと願うとても壮大な神事とされています。
春日神社では人形をお持ち帰れるよう社頭にご準備いたしておりますので、持ち帰りいただきご家族揃ってお祓いに向かって下さい。
大祓人形祓作法
- 人形に名前を書きます
姓名を中央に、一家を代表して一人が行事を行う場合は家族の人数を男女それぞれに記します。 - 右手に人形を持ち、左肩を撫でます。
- 左手に人形を持ち替え、右肩を撫でます。
- もう一度右手に人形を持ち替え、左肩を撫でます。
- 体の中で病や穢れを祓いたい場所を撫でます。
- 大きく一息、息を吹きかけます。
- 頒布しております紙袋に戻し、神社までお持ち下さい。
水に人形を流す事が作法とされてきた
貴船神社などでは、水に人形を流す事でその穢れを祓う行事(大川路の儀)が夏越祓の一つの行事として行われています。
当増泉の春日神社も水の縁深く、その行事の所以は長い歴史に刻まれてきております。
平成31年も行われた夏越の祓では、神社関係者の子供達も参列し厳かに摂り行われました。
1000年を超えて続く常若・幸せへの願いが込められたお祭りですが、お祭り自体は何気ない人生のひとときです。
このひとときの積み重ねこそが文化を形作るに至り、幸せを願う心が大切にされる本義では無いでしょうか。
子供達はこの瞬間を想い出として、将来笑い話にする事でしょう。
水の縁が繋ぐ人々の歴史に、皆様も触れてみては如何ですか。
ただし、茅の輪は設けておりませんのでご容赦下さい。