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出産はあなたの大切な女性が命を掛けて行う一大事業

世がどれほど変わろうとも、出産は命を掛けた一大事に変わりありません。

新お母さんにとって一大事であるならば、これを新お父さんも大事として捉えなければなりません。

これは必然であって、例外はないのです。

男性諸兄にとって、NHKの「おしん」で出産は病気では無いなどと言われ安易に捉えられていた時代もあり女性であれば誰でも出来る事のように捉えている方もいらっしゃるようですが、そんな馬鹿げた幻想は捨て去らなければなりません。

では、一般的な2種類の出産に対して考えて行きましょう。

 

経膣分娩への心構え

文字の通り、膣を通って出産する方法を経膣分娩といいます。

一般的に日本で出産というとこちらをイメージされる方が大半でしょう。

何時間、何十時間も掛けて出産する姿をテレビなどで見た事がある方もいらっしゃるでしょう。

ですが、経膣分娩が一般的では無くなった国も多くなってきている昨今、出産といえばこの経膣分娩であると捉える事は問題です。

また、男性にとっては、これ(経膣分娩)を常識的であると捉えてはいけません。

出産はその時々、ある人に拠れば分娩台に上がるその瞬間まで、また分娩が始まった後ですら経膣分娩が当たり前だとは言えないからです。

自分の奥さんが、計画通りの出産が出来ると考えていてはいけないのです。

ちなみに、帝王切開を予定していたのに経膣分娩になる事も若干ながらありますので、定石は無いとしなければなりません。

 

さて、新お父さんがしなければならない経膣分娩に向けた心構えは、何より奥さんの邪魔をしない事です。

出産に向けた道具衣類の準備は女性が自らやった方がきっと満足できるでしょうし、もしかすると産婦人科を選ぶ時点で女性側の意見が色濃く出ていたりするものです。

 

では、新お父さんはどうするのか。

何を持って行くのかを事前に知っておきましょう。準備品の置き場所も毎日自分で確認しておきましょう。

夜寝るときは、奥さんの様子を気にしましょう。

お酒を飲むのをできるだけ控えた方がよろしいかと。特に、産婦人科まで新お父さんの運転で向かう事にしている場合は、絶対に毎日飲酒禁止(飲酒運転禁止)です。

家事全般を、最低ひと月は全て出来るように練習しておきましょう。(因みに、家事とは24時間自宅と家族の管理をする事ですから、サボってる暇は基本的に無くなります。新お父さん自身がやらなければ家事を出来る人は居ないと思っておく方が良いでしょう。)

案外時間に余裕があるものと考えがちですが、早いと病院に行って1時間経たずに生まれる事もあります。病院に行くなどの連絡があればなるべく早く駆けつけてあげましょう。

女性にとっては「これぐらい言われなくても分かれよ!」と思われるでしょうが、大体の男が言われないと分かりませんし言われなければそれぐらいしなくても良いと思っています。

急に破水した場合等は奥様自らが救急車を呼んで搬送される事になりますので、外出先でそういった事態になると準備品をどうにかして病院まで届けてもらわなければならないのですから。新お父さん諸兄は、このあたり十分覚悟しましょう。絶対に思い通りにはなりませんし、計画通りに事が運ぶ事はありません。(以降の子育て全般に繋がる事実。)

 

実際に分娩に入ったら・・・。

実は、これに関しては実体験がありませんので伝聞を記しておきます。

命を掛けて新しい命を生み出している女性です。怖くて当たり前。ビビらずに構えましょう。

20時間を超えての出産も、ままあるものです。仕事の調整はできるだけ事前に済ませましょう。

奥さんは、旦那さんの事をとても良く覚えています。出産中に旦那さんが何をしていたのか、事細かに覚えています。後で怒られないようにしましょう。もう一度言います。「奥さんは、あなたを見ています。」

でも、いざ生まれるとき、奥さんの記憶はとてもあやふやになります。出来る病院であれば、我が子を抱いた姿を写真に撮ってあげて下さい。因みにその写真は死ぬまでスマホかパソコンの片隅に必ず在り続け、お父さんにとって心の拠り所になり、奥さんへの変わらぬ愛を守ってくれ、家族結束のお守りのようになります。

経膣分娩の痛みは想像を絶すると言われており、男の耐えられるところでは無いとする方も居ます。
こればかりは分かりません。しかし、目の前でとんでもなく痛み続ける奥さんを見なければなりません。
こここそ、精神的に支える瞬間となるようです。

といったところでしょうか。

経膣分娩を終えた女性は、産後数時間で自ら歩き(中には1時間もせずに赤ちゃんを見に行く方も。)、赤ちゃんに初乳を与えに院内を歩きます。

そして、痛かろうが何だろうが、赤ちゃんにおっぱいを吸わせてあげます。

初乳が大切と言われるのは成分が濃いから赤ちゃんにとって有益だと思われがちですが、現実的には「赤ちゃんにとっての超お手軽携行食品を以降の子育てで最大限有益に食べさせる事が出来る最初の練習だから」と言うところが大きいと感じます。
新お父さん目線でも、自分がミルクを作れるようになれるまで全てお母さん任せになってしまう訳ですから、家族にとって大切な行事として捉え授乳はお母さんにとっても赤ちゃんにとっても大きな試練であると理解しておきましょう。
その行事を(文句は多少言いながらも)行ってくれるお母さんには、新お父さんの認識以上に尊敬しなければならないでしょう。

一般的に、経膣分娩を終えた女性はだいたい当日の内にほぼ全ての自分の生活行動を、無理をしながら出来るようになります。(いつも通りできる訳では無い。)

ですが、体力気力は著しく低下していますので、一事が万事お手伝いできる介助役が居てくれると助かる事間違いないので、ここでも新お父さんが男を上げる大きなきっかけとなる事間違いありません。気合いを入れて、寛大に全てを受け入れ受け流し、手を取り合って新しい3人での日常を築いていきましょう。

 

帝王切開分娩への心構え

全ての産科医さんが神の手を持っています

昨今は帝王切開での出産は大変多くなってきております。

先ずは、帝王切開での出産は経膣分娩同様『普通の出産』であると理解しましょう。

50年前には逆子でも経膣分娩が当たり前であったり、「出産は苦しみを乗り越えてこそ!」という風潮から医者やお母さん自身、時には親族が強引に口出しする事で帝王切開を拒否する傾向もあったと聞いております。

逆子での出産は母子共に安全面への考慮から帝王切開が選択される事は現代においては当然であり、陣痛などの痛みを味わわないと赤ちゃんへの愛情が生まれないなんて事は全くの迷信であるのも現代においての常識です。

 

しかし、新お父さん新お母さんはこういった考え方の言動に必ず振り回される事になります。

親族友人知人は、安直に「私達の時は逆子でも普通に生んでた。」「あなた(新お父さん)があの子を甘やかすから楽な出産しか選ばないのだよ。」なんて言葉はどこでも気軽に交わされます。

帝王切開での出産を控えた新お父さんは、こういった言動から新お母さんを守り、どう頑張っても新お母さんの耳に入りますからそれを支える事が出産前の時点で必要になります。

 

現代においても「帝王切開での出産」は精神的に大きなストレスとなって夫婦二人にのしかかってきますので、目に見えなくても、行動に表れなくても、新お母さんを大切にしなければならないでしょう。(そして新お母さん自身も、自分で理解できない範囲にストレスがある可能性を受け入れてくれると助かります。)

そして、帝王切開での分娩となると個人の保険の適用もあり得ますので、新お母さんの保健を見直し、加入している保険会社へ事前に連絡し必要書類の確認をしましょう。

そして新お父さんは帝王切開以外の妊娠出産の仕組みと方法をできるだけ丁寧に勉強しなければなりません。

基本的に何も起こりませんが、それは産科医さんが日常的に奇跡を起こして下さっているだけです。

帝王切開と決まった理由はもちろん、この施術はどういったものなのかを理解し、最愛の女性の肌に一生涯の傷が残る現実を受け入れなければなりません。(もちろん、新しい我が子の誕生という最高の出来事を迎えるからこそ、なのですけど。)

 

そして、女性は案外(というか驚く程に)とてもとても、とても強い人間であると知る事になります。

神の手を持った産科医さんが帝王切開だと決められたのならば、それなりの医学的根拠あってこそですので男は黙って受け入れるようにしましょう。

 

入院に向けて

一般的な入院準備にプラスして。

出産後、お腹の傷が塞がるまで奥さんはお風呂に入ることが出来ません。

暖かいタオルなどで顔や髪を拭けると気分転換にもなって良いでしょう。

各産婦人科によってお部屋に差はあるでしょうが、もし個人部屋でしたら、冬場には加湿器、夏場には清涼グッズなどがあると喜ばれます。

とにかく奥さんは、動くことが難しくなるのにやれおむつ交換に赤ちゃんのところまで歩いて行け、さあおっぱいの時間だ自ら歩け、トイレも自分で行けるようにならないといけないんだ、寝てる暇なんて無いぞ、などなどこれまで考えもしなかった日常生活を迎えますので出来る限り気分転換やストレス発散が出来るよう、また短時間でも睡眠時間が取れるよう気遣ってあげたいところです。

この入院期間ですが、出来れば旦那さん方のご両親のお見舞いは控えてもらうといいでしょう。

早く赤ちゃんが、孫が見たいという気持ちは痛いほどわかりますが、奥さんには義理のご両親をお迎えするほどの余裕はありません。

一人目の出産であればなおさらです。

帝王切開での出産初日に義理のご両親が見えて、おっぱいは出るのか、おむつ交換でもやってやろう、他に何か必要なものがあれば何でも言ってくれ、と、とても有り難いお言葉をたくさんいただけます。

しかし、出産後の女性に必要なものは「赤ちゃんと向き合う時間」と「睡眠時間」です。

食事は大体病院が準備してくれ上げ膳据え膳できっと快適なはず。

スイーツは旦那さんか奥さんのご両親が持ってきてくれます。

新お父さんが入院前にしなければいけない一番大切なことは、「家族の時間を守り、作ること」でしょう。

とても面倒くさく、ほぼ必ず自分の親とけんかになるのですが、頑張ってみてください。

(ちなみに禰宜は、一人目の子供でとりあえず当日のお見舞いは回避し、二人目以降は出来る限り退院に近い日程に調整しました。)

 

出産方法にかかわらず知っておかなければならない事

出産届の提出方法を確認しておきましょう。
各自治体毎で若干の違いはあるでしょうが、無事出産を終えて受け取れる書類と共に役所へ赤ちゃんの名前と共に届け出しなければなりません。
その期限の確認が、必須です。
新お母さんには出来ないタイミングである事がほとんどです。
新お父さんの、我が子のために始めてやる行政処理となるでしょう。

出産において思いがけない事故が起きることは0%ではありません。
何度でも申し上げますが、奥様は命をかけた一大事業に取り組むことになります。
すべての出来事が起こることを心構えとして知識に取り入れておきましょう。

赤ちゃんの保険の加入を考えましょう。
保険料の関係から生後半年以内に加入すると良いとされておりますので、銀行や郵便局に置いてあるパンフレットに目を通しておくと良いかと。

YouTubeなどで赤ちゃんのお風呂の入れ方とおむつの替え方を一度以上は見ておきましょう。
産院で教えてくれる場合もありますが、ほぼすべての場合で新お母さんのみが受講します。
新お父さんが知るのは新お母さんからであることが9割を超えますので、知っておいて損はありません。
そして、赤ちゃんが男の子であれば、新お父さんはお尻ふきの際にはここを拭いて欲しいんだ!と新お母さんに教えてあげましょう。
逆に女の子であれば新お母さんからの教えもありますので、夫婦揃ってお尻ふきに対する知識を共有すると無駄にムカムカしなくて済みます。

退院の際には、自宅の冷蔵庫の中にコンビニのでもいいのでケーキを入れておきましょう。
赤ちゃんが来てくれることはもちろん嬉しいのですが、新お母さんを労ってあげられる最高の人物は新お父さん以外にいません。
一言、お疲れ様でした、お帰りなさい、と。最愛の奥様にお伝えください。

 

おすすめの子育て読本

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新お父さんは、上の2冊と一番下の1冊は是非読んでみて下さい。