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赤ちゃん誕生後1ヶ月

お父さん方、この一ヶ月、一体どのようにお過ごしでしょうか。

仕事から帰っても寝られない日々が続いていることでしょう。

ムカムカすることも多くなってきたことでしょう。

晩酌が恋しくなったり、禁煙も限界に近づいてきたりしているのではないでしょうか。

ご安心ください。

この後少なくとも生後3ヶ月頃までは同じ状況が続きます。

晩酌やたばこはこの際諦めてしまうととても潔く見えますので、辞めるならこのタイミングをお勧めします。

さて、実際に生活はどのようになるのでしょうか。

 

人間が一人増えるということ

赤ちゃんの生態

・寝る?

まず、起きている時間は完全に不定期です。

視力はほぼ無く、明るいか暗いかがわかる程度ですので、朝が来たから起きるなどと言うこともわかりません。

電気をつけている部屋だと日中と誤認して起きるとか、暗くしとけば寝やすいとか、そんなことは理想で幻想です。

赤ちゃんは寝たいときに寝て、起きたいときに起き、そして泣きたいときに泣きます。

これは、お母さんが抱っこしたから寝るとかそういったことも決まっていません。

ではどういったときに寝てくれるのか。

それは、

1.お腹がいっぱいの時。

2.おむつが気持ちよくなったとき。

3.静かなとき。

4.お父さんやお母さんの他愛の無い日常会派などの話し声が聞こえるとき。

5.泣き疲れたとき。(大体大人の方が先に疲れますけど。)

といった場合がほとんどでしょう。

要するに、赤ちゃんは寝たくないときは寝ないんだ、散々付き合うしか無いのだ、と理解しましょう。

この睡眠に対する子供の行動原理は3歳児になっても変わらない子がほとんどですよ。

 

・食事?

母乳が良い、ミルクでも良い、最近発売された缶の液体ミルクはどうなんだ。

こういった情報はお父さんは事前に仕入れても良いのですが、それをお母さんに強要しないように気をつけましょう。

特に、母乳の出は、初産であれば悪くて当たり前です。

おっぱいが出ないのに母乳育児を過度に推奨しても、建設的な家族関係は築けないのですから、出来る範囲を受け入れた方がお母さんにとっても有り難いものです。

あるとき突然、何故だか分からないのにおっぱいが出るようになったりします。

また、おっぱい出ないのに母乳だけは体内で生成され続けていたりしますから、産後1週間から2週間の間で赤ちゃんの吸う力が弱いとか母乳をあげる態勢がよく分からないとかお母さんの悩みをできるだけ迅速に仕入れて必要であれば産院の看護師さんに相談しに行きましょう。

これが、お父さんが赤ちゃんに食事を用意するための仕事で、お母さんの手の届かないところから赤ちゃんに食事を導く役割になります。

ちなみに。

1.母乳の良いところ

お母さんさえいれば、どんな場所でも赤ちゃんの食事に困らない。

お母さんがいなければ、赤ちゃんに泣きつかれた後のドリンクさえ準備できない。

お母さんの免疫能力を赤ちゃんに受け継がせることが出来る。
(未発達な赤ちゃんの消化管は、母乳によって病原体の付着を阻止しまた消化管の発育を促します。母体内で受け継がれた抗体は生後6ヶ月頃まで効果を発揮するとされますが、そもそも母乳であれば体内への過度な侵入を大きく防止するとされますので、母乳保育がお勧めされる一番の理由はこのことからでしょう。)

2.粉ミルクの良いところ

お湯と哺乳瓶があれば男でも、家族以外でも赤ちゃんの食事を準備できる。

準備に時間がかかる。
(特に生後1ヶ月のこの頃は赤ちゃんの睡眠時間も1時間半から長くて3時間程度と大変短いもの。その中でお湯を準備し粉ミルクを入れ飲める程度に冷ますとすると少なくとも10分はかかることになります。この10分がとても大変です。(基本、赤ちゃんはおなかが空いているので泣きっぱなしです。)お父さん、手伝えるようでしたら起きて手伝いましょう。)

この1ヶ月で赤ちゃんは生まれた頃から体重を2割(700gほど)増やすことになりますがこれに見合った栄養は十分に取れる程度に調製されたものが国内では流通しています。

母乳よりも赤ちゃんの体重は増える傾向にありますが、3歳までの発育においてこの差は全く気にすることはありません。
体の大きい小さいは、お子様の個性です。成長曲線内であれば、どうと言うことはありません。

3.液体ミルクの良いところ

お湯すら無くても食事の準備が出来る。

この時期の赤ちゃんの食事は1回に50mmとか60mmとかなので、圧倒的に捨てる量が多くなります。

缶入りであれば保存期間が1年ほどあるものも販売されているので災害時の支援物資としては優秀かも知れません。(にしても、災害現場でミルクを捨てなければいけないことはお母さんにとって別のストレスの原因にもなることでしょう。)

粉ミルクと比べるとまだかなり高い。

この時期の赤ちゃんには、こういった理由からあまりお勧めできないといえます。

 

・遊ぶ?

赤ちゃんは新しい刺激にとても貪欲です。

毎日毎日とてつもない勢いで成長し、前日に気づけなかったことに翌日反応するなんて事もままあります。

でも、基本的にこの1ヶ月はあまり赤ちゃんを動かさないよう心がけましょう。

理由は、骨子がまだまだ軟弱で呼吸器系にも十分な力があるとは言い切れないからです。

赤ちゃんはできるだけ家庭内で過ごし、外に連れ出す場合もベビーカーは必須、寒暖の差にも十分配慮し、風雨に当てることも極力避けましょう。

こういった気遣いにお母さんはとても敏感になります。

お父さんも、必要以上に配慮しなければなりません。

くしゃみやおならの音にも敏感に反応しますので、両親は新しい発見を毎日出来ることになり、お父さんはここでようやく自分の子供のかわいさに気づく方も多いのです。

赤ちゃんと遊ぶときには、赤ちゃんに遊んでもらうような感覚で居た方が心が落ち着くのではないかな。

市販のおもちゃの効果は限定的で、大人の自己満足であることが多いようです。

それよりも、お父さんとお母さんの仲の良い会話やバラエティ番組を見て笑う笑い声の方が赤ちゃんの安心感に直結することは明白でしょう。

 

赤ちゃん分増えた生活の周期

大人の時間は全く無いと思った方が、両親にとって気が楽になります。

完全に赤ちゃん中心でしか生活できません。

ここで手抜きをする方法は、ありません。

真っ向勝負で、赤ちゃんと、赤ちゃんを護るお母さんに、お父さんの時間は費やされますし費やさなければなりません。

これが二人目三人目ともなれば、お母さんの負担は2乗3乗に増えるモノと考えましょう。(倍じゃなくて、乗です。)

育児休暇はお母さんと赤ちゃんが自宅に帰ってくる日から取りましょう。
自宅で二人を支えることが育児の手伝いで、お父さんの実地訓練の場となります。
おむつ交換もこの時に覚える方が多いのですが、汚いなんて気持ちはすぐに消え去りますので何度もやりましょう。
この時期の赤ちゃんは一日10回程度おむつ交換が必要です。

お母さんの食事は不定期かつ量も多くなりがちです。
なのに、お母さん自身が食事を作る時間は少なく、睡眠時間も短く細切れなので家の中でもゴロゴロしている印象が強くなるでしょうが、その程度当たり前です。
また、お父さんは意識的にお母さんが水分を多く取るよう促しましょう。
水分摂取が少ないと産後の病気に多い乳腺炎や夏場であれば脱水症状になる可能性が上がります。
乳腺炎は、女性にとって地獄のような痛みのようで、赤ちゃんにとっても大事なおっぱいを飲ませられなくなる悲劇ですから、お母さん自身も気にしますがお父さんも気にかけてあげて損はありません。

赤ちゃんがまだ生まれて間もないこの時期に、自宅で泣いてる赤ちゃんの声が五月蠅いなんて文句を言ってくる方々に心を病む必要はありません。

お父さんが堂々と矢面に立って家族を守ってください。

「子供の頃泣かなかった人間だけ、文句を言っても良いんじゃないか?」と。(ちょっと仏教的ですね。)

禰宜個人的な考えとしては、そもそも赤ちゃんの声が五月蠅いと言わなければならないような住宅事情の場所に住まなければならないことは現代の悲劇のひとつなんだろうな、と思います。
そりゃ子供育てようという大人が減るわけですよね。

少し逸れました。

 

赤ちゃんはすべて自分の時間で生活し、大人がこれに合わせる。

ただそれだけを、お父さんは実現し支えることになるのです。

 

お父さんとして歩み始めた新しい人生

赤ちゃんが成長する速度以上に、お父さんは「お父さん」として成長しなければなりません。

お母さんは生活の中で「お母さん」になってゆけるモノですが、お父さんは赤ちゃんと密接に触れ合う時間が短くなるのでほぼすべての家庭で「お父さん」としての成長が鈍くなります。

だからこそ、自覚を持って子供達とともに成長してゆくことに意義がでてくるのではないでしょうか。

お母さんは今を乗り越えることで精一杯でしょう。

とすれば尚更、お父さんは一歩でも二歩でも先を目出してお父さん修行を進める必要が出てきます。

赤ちゃんの誕生は、この世界に新しくお父さん、お母さんが誕生したと言うことです。

我が身を鑑み、その背中を見つめる我が子に恥じない人生を歩み始めましょう。

 

春日神社流に申し上げますと、「浄く明るく正しく素直に在るよう」に心がけるのです。

浄く明るく正しく素直で ”なければならない” のではありません。

そう在るように ”心がけ続ける” のです。

失敗や間違えは人生で起こりえる事ですから、それを出来る限り回避し家族から遠ざけるよう心がける。

それが、 ”お父さん道” の第一歩なのだと、禰宜は強く主張するのです。

 

 

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