平成31年 鎮火祭 鎮火行事の様子

火之迦具土神の恵み

現代日本において、ほとんどの赤ちゃんは暖められた産湯を使って体をきれいにしてもらいます。

また、人生を歩みきった後、亡くなった後には業火を以て火葬されます。

火之迦具土神の恩恵無くして人の世を歩むことは出来ません。

日々の暮らしの中では、暖を得ることが出来、豊かな食をもたらし、闇を照らす明かりとなります。

これらの火之迦具土神の恩恵に感謝し、またその荒々しさに畏怖し、讃え奉るお祭りが「鎮火祭」と言われております。

 

特に、炎のもたらす恐怖を知らない方も多くなってきております。

先月の左儀長祭においても、炎が熱いことを体感したことの無い子供たちが少なからずいらっしゃったようです。

 

鎮火祭斎行

春日神社の鎮火祭、先々代から行われていることは確認しておりますがどれほど前からかという記録は無いようです。

また、数年前までは火を熾す鎮火行事も行わずに通常祭典のみとしておりました。

近年は鎮火祭ならばこれにまつわる行事も行うべきとして、火を点しこれをご神前に献ぜられた『水菜』『芹』『井戸水』を用いて消し止める鎮火行事を行っております。

当神社境内に育つ、奈良の春日大社からお分け頂いた『春日杉』の葉を火種として燃える炎は、この季節白煙を伴い燃え盛りますが頃合いを見て宮司の手によりこれら3種の力添えをお借りして炎は消し止められます。

拝殿の中は煙と共に焦げた匂いが漂いますが、寒空の下ながら戸を開け放ちこの煙も祓い出します。

例年春日神社氏子総代会を代表する数名の方にご参列頂いておりますが、本年は県下世情を鑑みこの参集も呼びかけることなく新色と参列の数人のみで祭典を行うに至りました。

来年以降は、出来るだけ多くの方に足を運んでいただき、この煙を以て皆様の身を清め、祝詞を奏上して願意を込められた鎮火神符を受けて頂けると宜しいのですが、なんともお約束の出来ない日々となっておりますね。

鎮火祭_令和4年2月7日_01

炎を見ている宮司の写真ですが、少し気が抜けているようにも見えますけれども炎が天井まで届いてないか心配している瞬間のようです。

また、火が大きくなりますので本年から専用台を自作しこれまでの陶器を止め金属製のバケツに切り替え万難を排することといたしております。

静かな祭典となりましたが、無事、厳かに執り行われましたことご報告いたします。

 

鎮火神符の授与開始

『春日神社鎮火神符』は、職員によって毎年手作りで調製されております。

本年も然程多くない枚数をお清めいたしましたので、社頭にて授与頂けますよう願います。

一組 500円の初穂料となります。

春日神社氏子でなくとも、どなたでもお受け頂けますので、台所に一組お祭りください。

いわゆる熱源を司るとされておりますので、IHコンロであってもお祀り頂けます。

 

例年神社職員が手渡しでお届けしている皆様には、この感染症大流行の中ご自宅へ足を運ぶことすら憚られるとの意見がありしばらく控えさせて頂いております。

 

本年は祭典中の動画があるようですので、準備ができ次第このページで公開いたします。