放鷹術 奉納日時
10月 6日 午後2時より 鷹匠安全祈願祭
(鷹と鷹匠等が拝殿内にてご祈祷を受けます)
午後2時30分頃より 境内にて放鷹術奉納披露
(演技次第は下記にて)
放鷹術(ほうようじゅつ)
鷹匠さんが丹精込めて育てている猛禽類は、その知能指数はかなり高いとされ、春日神社にて放鷹術を行われている鷹匠さんに言わせると「未就学児から小学校低学年程度の知能は、共に過ごすうちに備わっていくようだ。」とのことで、鷹本人(?)にしてみると会話することは出来ないもののコミュニケーションはとれると考えていて間違いはなさそうです。
未就学児ほどの人間の子供は、既に自我も目覚め自分の思う通りのことをしたいと自ら発信し、やりたくないことはやらないし、怒られればしゅんとします。
同じように、鷹たちにも気分はあり、へそも曲げるようです。
だからこそ、常に信頼し合える存在がいて、その信頼を育んで行ける人間と共に行われる放鷹術というものは、我々一般人にとってはかなり不可思議な現象に映るものです。
江戸時代に鷹匠が特殊な職業として政治的に保護されていたことからもわかるように、言葉を交わすことの出来ない間柄での信頼関係は、我々人間においても重要なものであると言えましょう。
人と鷹との間に垣間見える絆を明確に表せるところが、今日の一般披露される放鷹術の一部なのです。
もちろん、鷹を用いた狩りなどもその道のプロの中では行われており、獣を追い立てることが出来る猛禽類の強さを人間が指揮することも放鷹術には含まれるのですが、あまり大衆の前で行うには難しい部分が多いかもしれません。
春日神社に奉納される放鷹術
鷹匠さん曰く、
「小学校に出向いて披露しても全く遜色なく、授業の一環として取り入れて貰える程度には十分に調教が成され、お互いの絆を深めております。」
とのこと。
私、禰宜も、練習に何度かお付き合いをさせていただきましたが、鷹達は信用信頼している人を良く見極めているようでした。
しかし、間近で見ると爪や嘴は鋭く、肉食の鳥類であり食物連鎖の頂点を担うだけの風体が備わっておりますから、生物としての威圧感は感じられることでしょう。
春日神社で行われております放鷹術は、「生命を育むための食事とはいかがなものなのか」、これを中心に据えて広く食への感謝と、食事を作ってくれている家族や職業の方々へ向けた感謝の心を伝えるべく奉納され続けております。
出来るだけ多くの皆様に、春日神社での放鷹術奉納をご覧戴きたく願うと共に、毎日ご飯を作ってくれる皆さんの家族に向けて感謝の心が芽生えるよう願います。
平成29年 放鷹術奉納演技次第
- 千本鳥居 (赤鳥居を鷹がくぐり抜けます。)
- 赤鳥居渡り (稲荷社前の赤鳥居にとまります。)
- 振り替え演技 (鷹匠と人との間を指示通り飛び渡ります。)
- 春日神社大鳥居渡り (春日神社参道より大鳥居に向けて大きく滑空します。)
- 関係者との振り替え演技
- 一般観覧者との振り替え演技
小雨決行ですが、鷹の体調などで中止になる場合はございます。
演舞奉納者
金沢Hawk Wing (代表 塩本さん)