家族で神様を祀る意義
何でも出来るし何でも思い通りになると信じて過ごした若かりし日々。
誰にでもあるでしょうし、それが若さの成せる技でもあります。
しかし、家庭を持ち、赤の他人と暮らすようになると、全く以て思い通りに行かないことも一つ二つや出てくるもの。
ましてや子を育てるとなると、それこそ正に神のみぞ知る世界が広がります。
そんな中で、家族の安全と平和を願うことは、とても正常な精神でありますし、願いの行く先が家庭内に祀られたお神札さんなどであればとても身近で宜しいのではないでしょうか。
家族で神様をお祭りすることは、家族という関係を優雅に続けるための象徴であり、形の無い願いを形に表すことで言葉に出来ない願いを具現化出来る、家庭の礎と言えると信じております。
そこで、古い昔からお神札を家庭で祀る習わしが、日本全国津々浦々へと伝わり、人々に浸透していきました。
日本人は、家族にすら自分の心の内を正直に話すことが出来ない性格を持っておりますので、お神札を祀ることは係わる全ての人々を幸せに出来るとても幸せな作法であると言えましょう。
現代のお神札さん
車や鉄道など交通機関の発達と共に、日本津々浦々にまで旅行に行く機会が多くなりました。
これに伴い、旅先で気軽にお札を受けられることも多くなっております。
神社によっては、せっかく遠くから見えられたのだからと、正式参拝のお下がりに専用のお札さんを準備されていらっしゃるところもあります。
では、こういったお札さんは如何様にして取り扱うのが正しいのでしょうか。
もちろんこれにも正式な答えがございます。
お札のお祭りの仕方はこの図の通りです。
基本的に、一番真ん中、ないしは一番手前に天照皇大神宮のお札様をお祀りいただき、次に地元の氏神様、そして崇敬神社ないしは旅先などで受けられた多様な神社様をお祭りいただきます。
たくさんのお札がいっぱい溢れても良いのか、というお問い合わせもいただきますが、粗雑に扱わないという最低条件を胸にご奉蔡いただけているのであれば何社のお札をお祭り頂いても結構でしょう。
では、2社だとどうなの?
2社のお祭りをする場合は、扉が3つある神棚では向かって左の崇敬神社のところが空白になります。
扉が一つの1社祭りの神棚だと重ねるので特に問題は無いでしょう。
では、近年の住宅事情に合わせて作られているこのような神棚だとどうなのでしょうか。(壁面に取り付ける神棚)
写真では特に区切りが無いように見受けられますので、左右に動かせるのでしょう。
では、ここに二枚のお札をお祭りする時には・・・?
一案として、向かって右側にお伊勢さん、向かって左にもう一枚のお札、となるでしょう。
そして、3枚目のお札を受けられたならば、上の図に習って、真ん中がお伊勢さん、向かって右に氏神様、そして左が崇敬神社となるでしょう。
お札をお祭りする、家庭のまつりの形
神社本庁が定めるお札のお祭りの仕方が大前提ではありますが、現代社会においてはこれを十分に守って神棚を備えることが厳しい事情も多く見受けられます。
そこで、めんどくさいから止めとこうとなってしまうには、あまりにももったいない。
先にも書きましたが、誰かが誰かの幸せを願う機会は、出来るだけ多い方が良いのです。
そのきっかけの根源足る神棚のお祭りですから、ご家庭に合わせていろいろなお祭りの仕方をお考え頂いて宜しいかと存じます。
ご家庭で出来るだけ再考の形でお参り出来ているのであれば、それで十分でしょう。
やめて頂きたいのは、お土産でもらったお守りやお札を適当にその辺に放って置くことです。
途中にご紹介いたしました神棚、右のものは石膏ボードへの取り付けも出来ますので、賃貸住宅にお住まいの方にもお勧めです。