平成27年5月 春日神社社名石柱

歴史に再び光が当てられる

春日神社は現宮司で19代となる、田中神職が代々ご奉仕を続け連綿と祭祀が執り行われている、市内でも希有な神社の一つです。

石川県石川郡神社史_春日神社(PDF)によると、天暦元年に三笠山の春日大社より神霊を勸請し農耕の守護神と崇めたる、とされています。

天暦元年を西暦に換算すると西暦947年となり、春日社としてのお祭りが始まって以降令和元年で1072年を経過した事となります。

この神社史書には増泉の祠に三笠山のご神体を崇める社がありその横に神田神社がある、と記されていることから当春日神社は式内社である神田神社ではないとの論争がありますが、これを信ずると神田神社の隣にある社で増泉に鎮座する社こそ三笠山より正式に神霊を勸請した春日神社であるとなることに他ならず、当神社の歴史たるや延喜式の記された延長5年(927)12月とさほど変わらず春日神社がこの地に既に奉斎されていたことの証左となります。

また、寛文3年(1663)に加賀国前田藩3代目の前田利常公より直接田中神主が春日神社を任せられたため、田中の家がこの春日神社を守り始めてからは令和元年で356年が経過している計算となります。

またこの石川県石川郡神社史_春日神社(PDF)には当時の写真も掲載されており、春日神社正面鳥居より見た風景は現在の姿とさほど変わりないようにも見受けられます。

春日神社を語る史書は他にもいくつかありますので、少しずつ皆様にご紹介してゆきたいと考えております。

 

今回ご紹介した石川県石川郡神社史に、春日神社の社務所のことも書かれています。

大正12年に改築とありますが、これ以降細部の補修は行われるも現代まで改築は成されておりません。

ご祈祷に足を運ばれる皆様にお待ちいただく建物は、大正12年のものであり、年季の入った社務所であるといえます。

(ですがさすがにそろそろ改築ないしは大きなリフォームをしないといけないのかもしれません。)

 

増泉の地にはまだまだ面白い歴史探訪の種が残されていそうです。